文章にすることをためらわない
小学生の時、やたらと本を読む子供だった。
図書室の本を読みあさり、登下校のときには友達がいなくなるとすぐにランドセルから本を取り出し、二宮金次郎のごとく、本を読みながら歩いていたことを覚えている。
あのときは、物語をよむのは勿論、書くのもとても好きだった。
小学校1年生の夏休みの自由研究では物語を書いた。
うさぎとくまが出会うんだが、引っ越しとかなにかでまた別れてしまうみたいな話だった。
いつだったか、いろとりどりの画用紙に書かれたその物語りが出てきて、読み始めたらなかなか面白かったことを覚えている。
兄が通っていた高校の文化祭でもらった風船に、手紙をつけて始まった文通がある。
当時70歳くらいのおばあちゃんから返事が来たとき、私は保育園の年長さんだったけど、自分の物語が始まった…!って感動したことをを覚えている。
その文通相手のおばあちゃんには毎日こんなことがあった、あんなことがあったって、ほぼ日記の様に書き綴って送っていた。
おばあちゃんは毎回丁寧にお返事をくれて、そのお返事が来るのが楽しくてすぐに何枚も何枚も手紙を書いて送っていた。
今そのおばあちゃんに会えたら、当時私が何を書いて送っていたか聞いてみたいし、現物があれば是非見てみたい。
そんなこんなで文章を読むのも書くのも好きだったはずの私はいつの間にか、全く書かなくなっていた。
興味を持たれようともたれまいと、誰に読まれようと、どんな感想をもたれようと、書いて残しておこう。
会ったことも無い誰かと、文通をするように。